特定技能外国人を受け入れる企業には、在留資格の申請だけでなく、受入れ後も出入国在留管理庁への各種届出が必要です。
特に注意したいのが、2026年4月1日から定期届出のルールが大きく変更されていることです。
今回は、特定技能外国人を雇用する企業が知っておきたい「随時届出」と「定期届出」について解説します。
特定技能の届出には「随時届出」と「定期届出」がある
特定技能外国人を受け入れる「特定技能所属機関」には、大きく分けて次の2種類の届出があります。
① 何らかの変更や問題が発生したときに行う「随時届出」
② 一定期間の受入れ・活動・支援状況を報告する「定期届出」
それぞれ提出時期が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
① 随時届出とは?
特定技能外国人の受入れ中に一定の変更などが生じた場合には、その都度、出入国在留管理庁へ届け出る必要があります。
主な届出事由には、次のようなものがあります。
特定技能雇用契約に変更があった場合
給与や労働時間など、特定技能雇用契約の一定の内容を変更した場合や、雇用契約を終了した場合、新たな雇用契約を締結した場合などには届出が必要です。
支援計画を変更した場合
1号特定技能外国人について作成している支援計画の内容に一定の変更があった場合にも届出が必要となります。
登録支援機関との支援委託契約に変更があった場合
登録支援機関との支援委託契約を変更・終了した場合や、新たに契約を締結した場合なども届出の対象です。
特定技能外国人の受入れが困難になった場合
退職や行方不明などにより、特定技能外国人の受入れを継続することが困難になった場合には届出が必要です。
法令違反などを把握した場合
出入国関係法令や労働関係法令に関する不正行為などを把握した場合にも、届出が必要となる場合があります。
これらの随時届出は、原則として届出事由が発生した日から14日以内に行う必要があります。
「次の在留期間更新のときに説明すればいい」というものではありません。変更が発生した時点で、届出の要否を確認することが重要です。
② 定期届出は2026年から「年1回」に変更
特定技能制度では、受入れ企業に対して定期的な届出も義務付けられています。
従来は四半期ごとの届出が行われていましたが、制度改正により、2026年4月1日から年1回の届出へ変更されました。
現在の対象期間と提出期間は次のとおりです。
対象期間:4月1日から翌年3月31日まで
提出期間:翌年度4月1日から5月31日まで
例えば、2026年4月1日から2027年3月31日までの受入れ状況については、2027年4月1日から5月31日までに定期届出を行うことになります。
定期届出では何を報告する?
2026年からは、これまで別々に扱われていた受入れ・活動状況と支援実施状況が統合され、
「特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」
として提出する仕組みになりました。
特定技能外国人の受入れ状況や活動状況だけでなく、1号特定技能外国人に対して支援計画どおりの支援が行われているかについても確認されます。
そのため、日頃から雇用状況や支援実施状況を記録・管理しておくことが重要です。
登録支援機関に全部委託していても企業側の届出はなくならない
ここは特に誤解されやすいところです。
「登録支援機関に全部お願いしているから、会社は何もしなくてもいい」
というわけではありません。
1号特定技能外国人への支援を登録支援機関に全部委託している場合でも、定期届出の提出主体は特定技能所属機関です。
登録支援機関は支援の実施状況を受入れ企業へ提供し、受入れ企業が自社の受入れ・活動状況と取りまとめて提出する仕組みになっています。
また、雇用契約の変更や受入れ困難など、特定技能所属機関自身が行わなければならない随時届出もあります。
「支援の委託」と「入管への届出義務」は分けて考える必要があります。
届出を忘れるとどうなる?
特定技能所属機関による届出は、単なる事務手続ではありません。
出入国在留管理庁は、届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなる場合があると案内しています。
また、届出を行わなかった場合や虚偽の届出を行った場合には、指導や罰則の対象となることがあります。
そのため、「期限が過ぎてしまったから、そのままにしておく」という対応は避けるべきです。
届出漏れが判明した場合には、放置せず、必要な対応を確認することが重要です。
届出はオンラインでも可能
特定技能所属機関・登録支援機関の届出は、出入国在留管理庁の電子届出システムを利用してオンラインで行うこともできます。
定期届出については、一定の要件を満たした受入れ機関がオンライン申請・電子届出を利用する場合、添付書類の一部を省略できる制度も設けられています。
継続的に特定技能外国人を受け入れる企業では、電子届出の利用も検討するとよいでしょう。
企業が日頃から確認しておきたいこと
特定技能外国人を受け入れた後は、在留期限だけを管理すればよいわけではありません。
例えば、
・雇用契約の内容に変更はないか
・退職者はいないか
・支援計画に変更はないか
・登録支援機関との契約内容に変更はないか
・必要な支援が計画どおり実施されているか
・届出期限を過ぎていないか
といった点を継続的に管理する必要があります。
特定技能制度では、「在留資格を取得したら手続終了」ではなく、受入れ後の適正な管理までが重要です。
まとめ
特定技能外国人を受け入れる企業には、受入れ後も出入国在留管理庁への各種届出が求められます。
特に重要なのが、
「変更等が生じた場合の随時届出」
「年1回の定期届出」
の2つです。
2026年4月からは定期届出が年1回に変更され、受入れ・活動状況と支援実施状況をまとめて報告する仕組みになっています。
また、登録支援機関へ支援を全部委託している場合でも、受入れ企業自身に残る届出義務があります。
特定技能外国人を適正に受け入れるためには、在留資格の申請だけでなく、雇用開始後の届出・支援・在留管理まで含めた継続的な管理が大切です。
行政書士 大城彩子
Ayako Oshiro | Administrative Scrivener (Gyosei Shoshi)
Immigration Support / Visa & Residence Procedures in Japan
特定技能・在留資格・ビザ申請など、外国人材を雇用する企業の皆さまの手続をサポートしています。

